初めてボウイングの練習をするときは

今回のテクニックは、弓を持ってチェロの練習を始めたばかりの「超初心者」の皆さんの初めての音作り、そしてまた弦楽合奏などのアンサンブルを楽しんでおられる経験者の方が、リズムを刻むように弾く時にも必要なテクニックです。

 

チェロを始めたばかりの方が何とか弓を持てるようになったら、次はD線の開放弦を四分音符で弾く練習が始まります。皆が苦労する「弓の端から端までを使って、真っすぐ弓を動かす練習」はまだまだもっと先。ここでは先ず、スキっと立ち上がるポスターカラーのようなくっきりした音を目指しましょう。

 

合奏のチェロパートには四分音符が並んでいるだけのことがよくあります。

冒頭の楽譜の写真はヴィヴァルディの四季の「春」のスコアです。チェロパートはどれかというと、下から4段目の五線。Violoncelliと書いてあるところです。どうです?「ミ」の四分音符がずらっと並んでいますね。そのあとには八分音符も並んでいます。ここを弾く時はリズム感のあるスキっと立ち上がるくっきりした音が必要です。

 

初心者の皆さんは、ご自分の楽器から「きれいなチェロの音」を出したいですよね。でも初めは「弓にどのように、どれぐらい圧力をかけたらチェロらしいきれいな音がするのか」が難しいです。そこで「ギィ~」というイヤな音を聴きたくないので、たいていの方が「そおっと」恐る恐る弾いています。

 

でもまず初めにマスターしていただきたい音はポスターカラーのような音スキっと一瞬で立ち上がる、くっきりした音です。管楽器のタンギングです。皆さんはパステルカラーのような柔らかい音で弾きたいとお思いだと思いますが、今はぐっとガマン。弓への圧力のかけ方を身につけていただくのがまず第一のミッションです。これができるとパステルカラーのような柔らかい音もきれいに出すことができます。そして、初めてさんも、あのヴィヴァルディの四季の「春」の第一楽章のチェロパートをプロの音で弾けるようになります。

 

次回は、すっきり立ち上がるくっきりした音のイメージをお話しします。

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